ニカラグアのヌエバ・セゴビアに
「エルポルベニール農園」と
「カサブランカ農園」を
持つセルヒオ・オルテツさん。
農園だけでなく
水洗処理場ウェットミルや、
自宅敷地には
広大な乾燥場ドライミルと
サンプル焙煎や
カッピングルームを持ち、
生産したコーヒーを
常にチェックできる環境にされています。
《今の仕事のきっかけ》
初めは
父の仕事の手伝いで
1992年から携わるようになりました。
最初の仕事は
父の営む乾燥場で
豆の乾燥を炎天下で
行うというものでした。
2000年には
エルポルベニール農園を
父から譲り受け、
初の自分の農園として運営を始めます。
しかし、
1979年から10年間続いた内戦の
傷跡は深く、
農園付近には
地雷が多数埋まっており
誰も近づけなかったために
農園の本格始動までには
随分と時間がかかりました。
《仕事としての転機》
2007年に突然、
父が病気により他界しました。
それを機に、
エルポルベニールに加え
カサブランカ農園、
更には乾燥場の運営も
することになりました。
また、カッピングスキルを
習得したことも大きな転機でした。
それからは全ての生産工程や
与えた肥料が味にどう影響したのか、
明確に判断できるようになりました。
当初は農学者を雇って
何年か研究をしていましたが、
彼らの言う
「植物としての品質」と
私が重視したい
「飲み物としての品質」との
評価基準が異なるので
自分で作物栽培学について
学び始めました。
《農園主として大切なこと》
2012年頃から
サビ病や労働者不足などが
問題となっています。
それだけでなく
毎年難しい問題が
次から次へと噴出し続け、
いつまでコーヒーを
作り続けられるか分かりません。
しかし、
私の人生で
最も重要な3つのことは、
神と家族、
そして毎年遠くから
会いに来てくれる日本のロースターを
はじめとする友達。
困難に直面しても
私にはそれらがついているのです。
《日本のロースターや消費者の方に伝えたいこと》
私のコーヒーを取り扱う方、
飲んでくださる方には
とても感謝しています。
毎年改善し甲斐があるのも
皆さんのお陰なのです。
コーヒーは全て、
同じものにはなり得ません。
天候やこちらの施しにより
どうにでも変化しますし、
試行錯誤の末に
出来上がった農作物から
生まれる多彩な風味を感じていただき、
それぞれの味に
驚きと発見を見出し、
その中で私のコーヒーを
気に入って下されば何よりの幸せです。
もちろん私のコーヒーには
自信を持っていますけどね!
【El Porvenir Pacamara Natural Long Yeast】
農園 エルポルベニール
品種 パカマラ
処理 ナチュラル ロングイースト
標高 1150m
ロット名 ロス・セドロス
チェリー、マスカットのような風味
《処理工程》
- 専用バック(グレインプロ)に
コーヒーチェリーを入れ、
5日間嫌気性発酵
(アナエロビックプロセス) - 豆を山状に重なるよう盛り、
好気性発酵
(アエロビックプロセス) - コーヒーチェリーを
きれいな水に浸し、
軽いチェリーを取り除く
※中身の詰まった
良質なチェリーのみを選別 - チェリーごと
12時間ほど水に浸す - チェリーをアフリカンベットに移し
90分ごとに
日中かき混ぜる作業を
10日から12日行なう。 - 半乾きのチェリーを
黒いプラスチックの上に置いて
日光に当て、
60分ごとにかき混ぜる作業を行ない
10日から12日かけて
水分値が11~12%にする - 出荷日に合わせて、
約3~4ヶ月前に、
倉庫にチェリーを入れ寝かせる